治療費以外の入通院関係・介護費
入院付添費
入院患者の付添が必要な場合、付添人の費用も請求できます。
プロに頼んだ場合は全額、近親者の場合は1日6,500円が目安です。
ただし、必要もないのに勝手に付き添った費用は当然ながら出ません。
入院した病院の看護体制、負傷の程度、患者の年齢(幼児とか、高齢者)とかを総合的に見てぜひ必要と判断される場合に限ります。
後で問題にならないように、担当医師に指示書を書いてもらうようにしましょう。
通院付添費
一人で通院できない患者の付添については、1日3,300円を目安として通院付添費が請求できます。
これも症状が重いとか、患者が幼児や高齢者など、ぜひ必要と判断される場合に限ります。
やはり、医師の指示書をもらうようにしましょう。
入院雑費
入院するといろいろ物入りになります。
洗面用具・寝具・紙おむつ・電話代など、こまごました費用がかかりますが、一つ一つ領収証を取って証明するのは大変です。
そこで1日一律の入院雑費を請求できるようになっています。
1日1,500円で領収証は不要です。
保険会社は1,100円を提示してくる可能性大ですが、それは自賠責基準であり、主張すれば1,500円が取れます。
将来介護費と将来雑費
いわゆる植物人間状態になってしまった場合や高度の障害を負った場合は、生涯にわたって介護が必要となります。
介護人の費用と介護周りの雑費を請求できます。
計算式
【将来介護費】
年間基準額 × 生存可能期間に対するライプニッツ係数
【将来雑費】
年額 × 生存可能期間に対するライプニッツ係数
将来介護費の年間基準額は、プロなら実費全額、近親者なら1日8,000円が目安です。
症状が重い場合、介護人は複数必要と認めてもらえる場合もあるので、しっかり争いましょう。
将来雑費の年額は、領収証を取っておいて算定根拠を明確にする必要があります。
ライプニッツ係数とは?
生存可能期間は平均余命年数表というものを参照して出します。
ただし、将来にわたって支給され続けるのではなく、一時金としてまとめて支給されます。
そのため、利息分が割り引かれます。
先にまとめてもらえば銀行に預けても利息が付いて、継続して少額ずつもらうより得をしてしまいます。
例えば、今もらう10万円は将来もらう10万円より価値がある。
だから、先に全額渡す時は利息分を割り引きますよということなのです。
計算で使われる金利は5%。
「今時、そんな高利回りな運用方法がどこにあるんだ?!」と言いたくなる気持ちはわかりますが、決まりだから仕方ありません。
割り引いた後の数字がライプニッツ係数です。