症状固定または死亡前が対象期間
休業損害とは?
治療期間中に仕事ができなかったために発生した損害です。
何かの出費があるわけではなく、本来得られたはずの収入が減少したことによるものですから、消極損害の一種です。
対象期間は事故発生から、後遺障害が残る場合は症状固定と診断された時点までであることに注意しましょう。
死亡事故の場合は事故発生から死亡診断までです。
症状固定後や死後に得られたはずの収入の減少は、「逸失利益」という別の費目で補償されるのでよく理解しておきましょう。
休業損害の算定方法
事故前の収入を基準に休業期間の減収を補償します。
ただ、実際には「事故前の収入」の認定には難しい問題もあります。
- 給与所得者はわかりやすいが、自営業・自由業の場合はどう算定するか?
- 給与所得者でも給与の月変動・季節変動の多い人はどうするのか?
- 専業主婦は金銭収入はなくとも働いているが、休業損害は認められるか?
- 失業者や幼児・学生はどうなのか?
こうした問題に対して算定方法が定められています。
給与所得者 |
事故前3カ月の平均給与を基に算定することが一般的 |
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会社役員 | 労務提供の対価部分だけが対象で、利益配当としての役員賞与は対象外 |
主婦 | 賃金センサス(統計資料)掲載の女子労働者の平均賃金を基に算定 |
個人事業者 | 交通事故による休業が原因の収入減が実際にあった時のみ認められる |
失業者 | 認められない。ただし、事故前に内定していたとか、就職活動を行っていた場合などは認めるのが通例 |
学生・幼児等 | 認められない。ただし、学生のアルバイト収入などは対象になる |