損害賠償の解決方法は3種類
交通事故の損害賠償の解決方法は３つあります。
示談・調停・訴訟です。
一つずつ説明しましょう。
示談
裁判所を介さずに当事者同士で話し合って解決策を決めるのが示談です。
被害者は、実際には加害者当人とではなく、相手の加入している任意保険会社の人間と交渉することになります。
話し合いがついたら、賠償金額や支払い方法などをまとめた「示談書」を交わします。
示談のメリットは裁判費用と時間の節約です。
裁判をすると弁護士費用をはじめ様々な費用がかかり、時間も取られます。
示談に応じれば、まとまったお金がすぐに入ってくるので、それはひとつの利点です。
治療費や休業中の生活費に困っていた被害者の中には簡単に応じる方もいらっしゃいます。
しかし、保険会社は被害者の無知に乗じて圧倒的に不利な内容の示談に誘導することが多いです。
ですから、示談の内容が妥当なものであると確信出来ない時は必ず保留しましょう。
弁護士に交渉してもらうといとも簡単に大幅な増額が実現することがよくあるのです。
いったん示談書を交わしてしまえば、その案件は完了であり、もはや弁護士が関与することはできません。
理想は最初から交通事故被害に強い弁護士に間に立ってもらうことです。
弁護士費用が心配な方もいらっしゃるでしょうが、相談は無料という事務所も多いです。
調停と訴訟
調停と訴訟はともに裁判所が関与する手続きです。
調停は裁判所主導の話し合いです。
裁判官が「こうしてみてはどうですか？」というのに従って、加害者と被害者が妥協点を見出すのです。
これに対して訴訟は裁判官に解決策を決めてもらう方法です。
加害者・被害者の双方が自分の言い分を述べた後、裁判官が判決という形で「解決策はこうしなさい！」と言い渡すのです。
裁判というと心理的にも抵抗のある方が少なくないですが、必要ならやるという覚悟を決めたほうがよいです。
特に下記のようなケースでは裁判覚悟で徹底的に戦って、少しでも多い賠償金を勝ち取っていただきたいと思います。
- 後遺障害の深刻な方
- 加害者の過失が大きいケース
- 加害者が悪質・不誠実なケースなど